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2021.11.10

神戸の「銭湯」の魅力を発信中 ! 神戸市銭湯アンバサダー サーカスフォーカス littlebeeさん × 神戸市浴場組合連合会 会長 立花 隆さん 【インタビュー】

神戸の「銭湯」の魅力を発信中 ! 神戸市銭湯アンバサダー サーカスフォーカス littlebeeさん × 神戸市浴場組合連合会 会長 立花 隆さん 【インタビュー】

肌寒くなってくると、あったか~い温泉が恋しくなってきませんか? 神戸で温泉といえば名湯・有馬温泉が有名ですが、今回スポットを当てるのは街中の「銭湯」。

神戸の銭湯には、天然温泉かけ流しのものや、下町の風情満点のもの、サウナ設備が充実しているものなど、それぞれに個性と魅力があふれる名銭湯が揃っています。

今回は、そんな神戸の銭湯の魅力をPRしている神戸市銭湯アンバサダーで、音楽デュオ サーカスフォーカス の littlebee(リトルビー)さんと、JR甲南山手駅前にある 森温泉 の店主で、神戸市浴場組合連合会 会長 立花 隆さんに、銭湯アンバサダー活動のことや、神戸の銭湯の魅力、銭湯に対する想いを語っていただきました。

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(左)神戸市浴場組合連合会 会長 立花 隆さん / (右) 神戸市銭湯アンバサダー サーカスフォーカス littlebeeさん

サーカスフォーカス
ニューソウル、レアグルーヴ、ヒップホップのエキスが染み込んだポップスを発信し続ける、サーカス団長 : littlebee(リトルビー)と音楽家 : ichi(イチ)を中心とする音楽グループ。2009年より神戸を拠点とし全国で活動。ミュージシャンシップに優れた2人のハーモニーとLive力、自然と踊り出したくなるようなトラック群、秀逸なリリックは世代を越えて支持されており「パッと聞きでサーカスフォーカスの曲だと分かる」独自のセンス光る「シティーミュージック」の雄。 〉公式HP

・ プロバスケットボールリーグ B.LEAGUE 「西宮ストークス」のオフィシャル熱唱ブースター
・ J.LEAGUE 横浜FCのオフィシャル熱唱サポーター「OLELAELO」のメンバーとしても活動
・ 2021年に神戸市銭湯アンバサダーに就任

神戸市銭湯アンバサダーとは?

――サーカスフォーカスが神戸市銭湯アンバサダーに就任したのは、どのような経緯だったのでしょうか?

littlebeeさん : 音楽デュオで神戸で12年間音楽活動をしている中で、二人で裸でものを言い合える銭湯でよく打ち合わせをしていました。僕らにとって銭湯はミーティング場所みたいな感じかな。あと、お風呂自体も好きなので 『いい湯だな』 っていう曲を作ってたんです。それを神戸市の方に見つけてもらって、神戸市浴場組合につないでいただいて、みんなで神戸の銭湯を盛り上げようということで、銭湯アンバサダーとして抜擢していただきました。楽曲もほとんどそのまま公式のテーマソングとして採用していただきました。

立花さん : 日の目をみたって感じやね(笑)。東京では銭湯アイドルっていうのが活躍しているので、神戸でも銭湯を応援してくれるようなアイドルがいればと発案されたのが、神戸市銭湯アンバサダー設立のきっかけやったね。

littlebeeさん : アイドルいうたのに中堅やないかー! って言われるかも(笑)。

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――神戸市銭湯アンバサダーとしてどのような活動をされていますか?

littlebeeさん : 2021年の3月の就任会見では、まずは神戸の銭湯で音楽ライブがしたいと言いました。ただ、その後すぐにコロナが流行し始めてしまって…. ここ最近コロナが少しずつ収まりつつある中で、銭湯でのライブについて森温泉の立花さんに相談したところ、うちでやったらええやんと快諾いただきました。11月27日に 『銭湯巡業LIVE 森温泉編』 として、森温泉のロビーでライブを予定しています。

立花さん : うちでは、もともと何度か漫才ライブをしていたことがあるので、音楽ライブでも小規模だったら十分できるかと。

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今回のインタビュー場所でもあり、11月27日のライブ会場でもある森温泉のロビー

littlebeeさん : ありがとうございます! ようやく記者会見で言った公約を実現できます。あともう一個やったことといったら、神戸市銭湯アンバサダーとして『いい湯につかろう』という手ぬぐいを作ったんです。サーカスフォーカスのグッズとして販売もしています。

立花さん : 手ぬぐいは市内のお風呂屋さんに配りましたよ。ああやって暖簾(のれん)としても使えるしね。せっかく銭湯アンバサダーになってもらったのだから、銭湯としても応援してあげたいです。

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可愛いイラストが描かれたオリジナル手ぬぐい。

littlebeeさん : あとは、銭湯アンバサダーとしてのポスターも作って、その写真も森温泉で撮らせてもらいました。コロナで実際に足を運べないなかで、ポスターは僕らの活動をお風呂屋さんの方々やお客さんに知ってもらうのに役立ちました。

立花さん : ポスターも全部のお風呂屋さんに1枚ずつ渡してあるよ。ただ配ったあとにコロナが来てしまって…

littlebeeさん : ようやく活動を再開できるという感じですね。その手始めとしてやるのが、11月の森温泉でライブイベント 『銭湯巡業LIVE 森温泉編』 。皆さんにも是非来ていただければ嬉しいです。

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銭湯アンバサダーのポスター。神戸市内の銭湯で見つけてみて。

――今後も神戸の各銭湯でライブなどされるのですか?

littlebeeさん : そうですね、どんどん他でもやっていきたいです。森温泉さんは乗り気でしたが、ほかの銭湯でもうちええよー! っていうところは是非声掛けてほしいです(笑)。あとは、銭湯でライブするだけでなくて、銭湯に行く道中や、周りの街・地域を盛り上げていけるようにしたいです。近隣のごはん屋さんなどとコラボして巻き込んでいければ。銭湯と周辺のお店は密接な関係にあるので、音楽を起点に、銭湯はじめそのエリアを全体盛り上げていければなぁ、と思っています。

立花さん : そうやね、淡路島の岩屋にある扇湯さんなんかはすごい良い事例で、周辺の商店街も含めて盛り上げていくことが大事ですね。あと銭湯でライブといったら、スーパー銭湯で巡業して紅白に出たグループいるやん。だからサーカスフォーカスも頑張ったら銭湯きかっけに紅白に出る可能性もあるんやで(笑)。

神戸の銭湯の魅力とは?

――お二人が感じる神戸の銭湯の魅力を教えて頂けますか?

littlebeeさん : 銭湯アンバサダーになって、ポスター貼っていただいてありがとうございます! と挨拶ついでに、各銭湯の方と会話をさせてもらうことが多いんですね。その中で良く出てくるキーワードが、やっぱり『震災』なんですよね。相方(ichi)は東灘出身なので阪神淡路大震災を経験しているし、僕も兵庫県出身なので記憶がある。ほかの土地の銭湯と違うのは、震災にあわれた方の癒しの場になったということで、その記憶が生き続けているということ。これはめちゃくちゃ特別で、他のどこの地域の銭湯にもそんな歴史は無いのではと思いますね。

立花さん : 神戸の銭湯はみんな震災を乗り越えてきたお風呂屋さん。震災の時は苦労したし、そのことを忘れてないから、いい人が多いというか、人情味があるね。うちの森温泉も、60年前の1961年に開業して、震災の時は全壊してしまった。それでも半年後に仮設でオープンして、その10年後に今の形にリニューアルしたけど、それぞれたくさんの新聞やメディアに取り上げられたし、お客さんにも喜んでもらえたよ。

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森温泉は震災を乗り越え、仮設オープン時やリニューアル時には新聞にも大きく取り上げられた

littlebeeさん : 『震災の傷 癒した湯』っていうワードは神戸ならではですよね。被災された後の心身の傷をお風呂で癒された方も多いですもんね。こういったストーリーや歴史がある銭湯が神戸には他にもたくさんあると思います。

立花さん : 震災遺産のお風呂といったら、御影にある ときわ湯 さんやな。全壊したけど駐車場を改装して営業再開させて、今でも天井には駐車場の骨組みが残っている。知らん人には不思議な光景やろうけど、知っているとお風呂に浸かりながら震災の歴史や記憶を感じることができる、今では貴重な場所ですね。

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立花さん : あと、僕が神戸の銭湯の魅力と思うのは、海と山が近いこと! 海が近いお風呂屋さんやったら、お風呂入っているとボーっていう船の汽笛が聞こえるし、山が近いお風呂屋さんやと、六甲山登りしてきた後に入る人が多くて、お風呂の中で山の感想などの会話が聞こえてくる。森温泉は、土日になったら芦屋のロックガーデン帰りのお客さんが多くて、お風呂に浸かりながら山の話をして盛り上がっていますよ。須磨の海の近くの銭湯には海水浴や釣りの後に立ち寄ったりできるし、山や海を楽しんだあとに、銭湯に入れるのは神戸ならではなんじゃないかと思いますね。

休日には六甲山に登った後の登山客が汗を流す森温泉の浴場。なめらかな肌触りのタイルが気持ち良い。

――では今インタビューをさせて頂いている森温泉の魅力や、立花さん自身が力を入れられていることはありますか?

立花さん : 森温泉でいったら、今はブーム的にもサウナがオススメかな。サウナは病みつきになるし、お客さんの定着率がとても高い。一度サウナにはまったら、毎日毎日来なければ気がすまへん人が多いからね。森温泉では15年前の建て替え時から広いサウナ室を用意しています。水風呂は六甲の地下水で綺麗な水が出てくるから気持ちいいですよ。建て替えの時は、サウナを広くしよう、露天風呂をひろくしよう、この二つに重点を置きました。

一度に15名が入れる広々とした森温泉のサウナ室

立花さん : 建て替え前は、震災から半年後の営業再開からプレハブで10年間営業していましたが、体調を崩した親父から「お前が継がんかったらマンションに建て替える」と言われて跡を継ぐことを決めた。その前に、当時サラリーマンをやりながらお店を手伝っていたが、番台でお客さんの声や森温泉への想いに直接触れたのも、ここを継ぐのを決心した理由の一つかな。

littlebeeさん : こういった震災のストーリーや、神戸の銭湯の魅力、跡を継ぐことになった経緯などを、もっと若い人にも知ってもらって、銭湯に来てもらうのはもちろん、アルバイトとかで銭湯の仕事を体験してもらえたら理想ですよね。特に後継者問題は銭湯にとって重要ですもんね。

立花さん : やっぱりそうやね。お金じゃなくて、後継者がいなくてやめていく銭湯がほとんどやもん。銭湯が続くためには、人がほんとに大事で、人を探すためにも神戸市産業振興財団さんなどにも協力頂いている。京都でも若い人が銭湯を経営して盛り上げているし、そういった事を神戸でもできればいいなと思っています。神戸の銭湯の後継者問題、経営の若返りなどにも力を入れていきたいですね。

これからますます“熱く”なる神戸の銭湯

――その中で神戸市銭湯アンバサダーに就任されたサーカスフォーカスへの期待も大きいのでは?

立花さん : 新しい発想で神戸の銭湯を盛り上げていっていただけることを期待しています。そのためにも、まずは僕が先頭を切ってサーカスフォーカスさんと今回の銭湯ライブのようにコラボしていかな、他がついてきてくれない(笑)。よろしくお願いいたします。

littlebeeさん : こちらこそよろしくお願いします(笑)。今回こうして色々と立花さんのお話しも伺って、これからサーカスフォーカスとしても銭湯を盛り上げれる楽しいことをしていきたいですね。みんなが神戸の銭湯に行くきっかけとなるコンテンツやイベントを作っていきたいです。

――最後に全国の銭湯ファンに、神戸の銭湯のPRをお願いします。

littlebeeさん : 銭湯メインで来てもらってもいいですけど、銭湯はついでで来れるくらい、神戸にはできることがいっぱいあります。電車で行ける銭湯もたくさんあってアクセスも抜群。山遊びや、海遊び、観光したりした後、一日の汗や疲れを流しに神戸の銭湯に立ち寄っていってください!

立花さん : 神戸市内の銭湯を巡るスタンプラリーイベント 『神戸オフンロ巡り』 をやり始めてから、大阪や京都など、結構遠方から若い人が来てくれている。来年もスタンプラリーをやる予定ですので、こういうイベントなどきっかけに気軽に来てほしいです。イベントやキャンペーンの情報は 神戸市浴場組合連合会のFacebookページ でも発信をしているので、是非チェックしてみて下さい。あとは、神戸の銭湯で何かやるときに、サーカスフォーカスさんが盛り上げ役として、大いに頑張ってもらえたら。

littlebeeさん : そうですね、僕らだけがわーって言っててもしゃあないんで、力を合わせて盛り上げていきましょう(笑)!


いかがでしたか? お湯の良さ、人の良さ、場所の良さ。もともと魅力満載の神戸の銭湯ですが、銭湯アンバサダーの活躍で今後ますます盛り上がっていく予感。神戸の銭湯シーンにご注目ください!



【取材・文・写真】
神戸観光局 観光部 / 山崎 敬永
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